訓練がなかなか実施できない?そんなときの解決策
なかなか行動に踏み切れないという方は意外に多いものです
標的型メール訓練を実施しようと決めたけれど、なかなか実施できない。キットを購入したはいいけれど、なんだかんだで実行ができていない。という方は少なからずいらっしゃいます。
「上からは早くやれって言われてるんですけどねぇ・・・」という言葉を聞いたのは一度や二度ではありません。キットを入手された方はまだ良い方で、キットを試してみたいと思ってはいるんですが・・・。という方も少なくないと思います。
どうしてこのようなことが起きるのでしょうか?
確かにやるべき事は多いのだけれど・・・
セキュリティ担当者という職務は、なんだかんだでやるべき事が多いものです。
外部からの攻撃やセキュリティインシデントなど、突発的に割り込んでくる仕事も少なくなく、日々流れてくるセキュリティ関連の情報をキャッチアップするだけでも大変です。毎日がそんな状況の中にあって、さらに新しい事をしようと思ったら、なかなかできない。というのも、無理からぬ事かと思います。
最初のうちこそは取り組むことができたけれど、突発的な用件が入ったりして時が経つうちに、今では塩漬け状態になってしまった。というのはありがちな話です。
自分では「やらないといけないのに・・・」と思ってはいるけれど、なかなかできずに、気がつくと時間ばかり経ってしまっている。
こうした状態になるのには、実はある共通点が隠れていたりするものです。
あなたがいつもやっている事に着目してみて。
「やらないといけないのに・・・」と思っているけれど、なかなかできない事があるのとは反対に、やらないといけないとは思ってはいないけれど、いつもできていることが誰にでもあるはずです。
・朝起きる。
・お昼ご飯を食べる。
・メールを読む。
などなど・・・。数え上げれば、きりが無いほど、幾つもの事が書き出せるはずです。何せ1日は24時間ありますからね。
なかなかできない事があるのとは反対に、特に意識していないのに、毎日できてしまっている事があるのは何故でしょう?なかなかできないでいる事が、意識しなくてもできたら良くないですか?
意識しなくてもできていることには、共通点があった!
毎日、あなたが特に意識しなくてもできてしまっていることには、実は共通点があります。それは、
次にやるべき事が単純、且つ、具体的になっている。
ということです。
・朝起きる。⇒アラームが鳴ったら起きる。
・お昼ご飯を食べる。⇒お昼を示す鐘が鳴ったら席を立つ。
・メールを読む。⇒パソコンを起動したら、メールソフトを開く。
どれも、単純で具体的ですよね。これが例えば「朝起きて会社に行く」になると、遅刻ぎりぎりまで寝てしまったり、ひどいケースだと「遅刻するから今日は休んじゃおう」なんてことになってしまったりします。
「朝起きて会社に行く」というタスクを分解して、「アラームが鳴ったら起きる」⇒「起きたら洗面所に行く」⇒「洗面所に行ったら顔を洗う」⇒「顔を洗ったら着替える」というように、次にやるべき事を単純で具体的な事に分解して、流れ作業のように「次はコレをやる」と自分の脳に指令を与えてやると、自分で特に意識しなくとも、意外なほどにできてしまうものです。
あなたが今、「やろうと思っているが、なかなかできないでいる」ということがあるなら、その「やりたいと思っていること」の最初のアクション(目先のアクション)が、具体的で単純なものとなっているかどうか考えてみると良いと思います。
全体計画などなくてもいい。とりあえず目先の具体的で単純なアクションを考えてみて
プロジェクトが大きくなればなるほど、全体計画をきちんと決めることは必須の作業になってきますが、それが絵に描いた餅になってしまったり、計画ばかりで話がなかなか先に進まない。という状態になってしまうことはありがちです。
プロジェクトがずるずる先延ばしになる。なんていうのは、まさにこのようなケースだったりしますが、全体計画を考えようとしたときに、具体的な作業に落とし込むのが大変で、それを考えようとすると億劫になってしまって、なかなか手がつかない。というのであれば、全体計画など作らずに、まずは目先の具体的で単純なアクションから始めてみる。というのも一つの方法です。
仕事で重要なことは、綺麗な形でやることではなく、『さっさとやって結果を出すこと』です。
綺麗な計画書を書くために時間ばかりかかってしまい、結果がなかなか出せないのなら、計画書を書くのなんて思い切ってやめてしまってもいいと思います。
標的型攻撃メール対応訓練実施キットには、訓練実施計画書とタスク一覧が付属しています
もし、あなたが、標的型メール訓練をやるよう、上司から言われているのだけれど、なかなかできないでいる。というのであれば、あなたが行うべき目先のアクションとして、単純且つ、具体的な作業が明確になっているかどうか?を考えてみて下さい。
もし、明確になっている。というのであれば、何月何日の何時にそれをやるのかを決めてしまいましょう。もしくは、今すぐやりましょう。
今、この文章を読んでいるあなたは、他の作業はしていないからこの文章を読めているわけです。ということは、他の仕事は今すぐやらなくても良いということ。だったら、このページを読み終えたら、明確になっているという作業を片付ける。と心に決めてしまいましょう。さあ、これで、なかなかできなかった作業が進みますね。やったー!
でも、不幸にして次のアクションが思い浮かばない。というあなたも心配は要りません。具体的なアクションを今決めてしまえばいいんです。それも、幾つも考える必要はありません。一度に何個もの作業はできないのですから、実行できる作業をたった一つ考えればいいんです。
でも、作業として何を考えれば?というあなたのために、『標的型攻撃メール対応訓練実施キット』では、訓練実施計画書と、タスクの一覧を記載した作業スケジュール表をお付けしています。
具体的な作業が思いつかないあなたも、モデルケースとして作成された訓練実施計画書と作業スケジュール表があれば、訓練実施までの全体像が見渡せ、具体的に何をやって行けば良いかがイメージできると思います。
タスクの一覧を参考にすれば、あなたが目先のアクションとして、次に何をすれば良いか、具体的で単純な作業を思いつくことができるはず。
単純な作業であっても、それを実行するということは、少なからず目標に向かって一歩前進できるということ。
「やらなきゃなあ・・・」と思っているだけは、いつまで経っても実現しませんが、ちょっとした作業でも、それを次々にこなしていく流れができれば、実現に辿り着きます。
標的型メール訓練に限らず、あなたが今、「やろうと思っているが、なかなかできないでいる」ということがあるなら、最初のアクションとして、単純で具体的な作業・行動を実行することに注力してみましょう。
計画を現実のものにするのに必要なことは、何よりもアクションをし続けられるようにすること、意識するまでもなくできるよう、目先のアクションを単純で具体的なものに分解することです。
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