悪用厳禁!!つい添付ファイルを開いてしまう、5つの心理パターン
標的型メールが危険なのは、メールを読む側の心理を巧みに操り、つい、添付ファイルを開いてしまうような巧妙な仕掛けをしてくるところにあります。
「怪しいメールは開かないようにしましょう」なんて言われても、こんな仕掛けをされたら、ついつい開いてしまう。そんな心の隙を突くパターンを5つご紹介します。訓練メールを作成する際の参考にどうぞ。間違っても本物の標的型攻撃に使っちゃあダメですよ。
とにかく時間がない!と思わせる
【至急】【緊急】など、時間的な余裕がないことを煽る文言は、それだけで読む側から冷静さを奪います。
本能的に安全を確保したいという心理が働くので、「至急」などの文言を突きつけられると、直ちに何かしないと身に危険が及ぶのでは?と思ってしまい、冷静な判断をする余裕が欠落することになります。
この文言が、目上の方や取引先など、自分よりも上位の立場に位置する方から発信されたものであると認知すると、「叱られる」とか、「損失に繋がる」などの具体的な恐怖の想起を伴い、その恐怖が現実化するのを直ちに避けようとして、思わず添付ファイルを開くという行動に繋がってしまうというわけです。
それだけはイヤだ!と思うことが起きる可能性を示唆する
誰しも、自分がイヤだと思うことは起きて欲しくないものですが、それが起きてしまう可能性を見せつけられたら、どうにかして回避したいと思うものです。
「添付のファイルには、御社にとって100%不利益になると思われる、ある事実が書かれています」
と書かれていたら、そう簡単に無視することもできないはずです。「もし、これを無視して本当に不利益を被ったらどうしよう?」と考えたら、添付ファイルを開いて中身を確認したくなってしまう。そんな心理を突くというわけです。
自分だけ知らないのはイヤ!と思う心理を突く
それを知らなかったら周りから取り残されてしまう、また、他の人には決して先に知られたくない。など、イス取りゲームの敗者には決してなりたくないという心理を突く方法です。詐欺紛いの情報商材ではこのパターンがよく使われています。
「日本でまだ5人しか実践していない、あり得へん稼ぎ方を今だけ公開!」
「現時点で9割の方が、30分後には3万円の現金を手にしています」
など、明らかに怪しいとわかっていても、「もし本当だったら・・・」とか、「あわよくば・・・」といった気持ちから、つい、引き込まれてしまい、気づいたら・・・ということになってしまうというわけです。
人の秘密を知りたい!という心理を利用する
「隣の人は何する人ぞ?」、誰しも、他人の秘密は知りたいと思うのが本音というものです。他の人には知られたくないような秘密なら尚更。手に入りにくいと思えば思うほど欲しくなるのが人のサガ。
誤送信メールを装い、つい、覗いてしまいたくなるような内容の添付ファイルが付けられていたら、誰しも、それが標的型攻撃だとは気づかずに、こっそり開きたくなったとしても不思議ではありません。
他人の秘密に興味を抱く気持ちは抑えられないかもしれませんが、自制心だけは忘れないようにしましょう。
本能にダイレクトに訴える!
人は時として本能に抗えないものです。自らの意志では抑えきれないほどの衝動を呼び起こすような内容で、本能をダイレクトに刺激する。これもなかなかに強力な方法です。
「16歳の女子高生です。ブログへのアクセス数を増やしたいので私の全てを晒します」
などと書かれていたら、つい、アクセスしてしまう男性諸氏もいることでしょう。怪しいとわかっていても、「どうしても見てみたい」という欲求には逆らえない。人のサガって本当に怖いですよね。
誘惑に負けない習慣作りを!
以上5つの心理パターンを簡単にご紹介しましたが、どうでしょうか?実際にはこのような心理パターンは他に幾つもあり、しかもそれらを巧みに組み合わせてメールを送ってくるので、誘惑に負けることなく適切に対処するのは、時に難しいこともあります。
標的型メールについて知らなかったら、思わず開いてしまうかもしれない。それほど、標的型メールは巧妙なものです。従業員に対し、こうした危険性を伝えていくことは非常に重要なことだと思います。
日頃から意識することで、心の弱さにつけ込まれないようにしたいものです。
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