1年間のうちで交通事故が多いのは、何月だかわかりますか?
警察庁のまとめによると、小学校低学年の児童が交通事故に遭うことが多いのは、4月ではなく、5~7月なのだそうです。つまり、これからの時期が危ないということですね。では何故、この時期に事故に遭う人が多くなるのでしょうか?
交通事故もセキュリティ事故も根っこは同じ
5~7月における低学年の児童の歩行中の死傷事故の実態を見ると、交通事故に遭いやすい時間帯としては、14~18時の時間帯で、これはちょうど、学校からの下校中か、帰宅後に外で遊んでいる時にあたり、これらのケースで特に注意しなければならないそうです。
私事で恐縮ですが、我が息子(長男)も、以前、下校途中で交通事故に遭ったことがあります。その時は幸い軽傷で済みましたが、この時ばかりは、本人の顔を見るまでは生きた心地がしなかったのを、今でもはっきり覚えています。お子さんをお持ちの方は、これからの季節はご注意いただきたいなと思います。
さて、話を元に戻して、5~7月の時期に事故が多いのは何故か?というと、個々の事故についてはそれぞれ理由はあるものの、大きなトレンドとしては、新しい生活に慣れるにつれて4月の時点の緊張感が緩み、慣れと相まって不注意になることが増えるため、ということであるようです。ちょっとした気の緩みが事故に繋がるということですね。
この話を読まれて、セキュリティ事故も交通事故も同じようなものだと感じられた方は多いのではないでしょうか?
各個人をアシストするためにできることをやろう
企業においても、4月は新入社員が入ってきたり、異動があったりして、生活のパターンが変わる事は多いですが、仕事にも慣れてくると、緊張感があったことの反動で気が緩んでしまう。ということは有るかと思います。このようなタイミングで、「急ぎの仕事」が急に入るなど、落ち着いて考える余裕を奪われる等の条件が重なると、セキュリティ事故が発生しやすくなるだろうというのは、容易に想像がつきます。
常に緊張感を持ち続けていられればよいのでしょうが、人間どうしても好不調の波はあるものですし、緊張感をずっと持ちつづけるのは、どうしたって疲れてしまうものです。しかし、気の緩みが事故に繋がりやすいというのであれば、それを放置するというのは、「事故が起きてもしょうが無いですよね。」と言っているにも等しくなってしまうので、放置するわけにもいかないでしょう。
各個人がしっかり気をつけてくれれば良いのでしょうが、人間は不完全な生き物である以上、各個人にその責任を押しつけてしまうのは酷というものだと思います。セキュリティ担当者が各個人をアシストするという意味で、機に応じて注意喚起をする、また、気が緩んだなと思われるタイミングで訓練を実施し、刺激を与えるということは有効だと思います。
交通事故もセキュリティ事故も根っこは同じ。と考えれば、交通事故を防ぐための施策から学べることも多いのではないでしょうか。
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