標的型メールは見抜くことが難しい。は誤りです

情報弱者が攻撃者になる時代が来る。いや、もう来ているかもしれない

3Dプリンターで実射可能な拳銃を作った男性が逮捕されたニュース、そして、違法にソフトウェアをダウンロード販売していた女性が逮捕されたニュース、このようなニュースを見て思うことは、もはや誰もが犯罪に関わることができてしまう時代になってしまったということです。
 

今や何でもインターネットで手に入るし、これから先はもっと手に入る

3Dプリンターで拳銃を作った男性は、インターネットで設計図(3Dプリンターでプリントアウトできるデータ)を手に入れたとのこと、インターネットが一般に使われるようになってから、それこそ原爆の設計図だって手に入るなんて囁かれたりもしてきましたが、ごく普通の人が実際に現物を手に入れて、実射可能な拳銃を作ることができてしまったという事実は、その気さえあれば誰にでもできてしまうことの証明であり、特別な機材などなくても実現できてしまうということは、それを防ぐための有効な手段を採ることができないということを示唆しています。

誰にでも情報が手に入り、そして実現することができてしまうということは、物事の善悪が判断できない、また、物事の本質を見分けることができないような人達(例えば子供とか)にも情報が届くということであり、こうした人達が、表向きは興味を煽るような情報に見せかけて、実はその裏に悪意が隠された情報を手にした時、単なる興味本位や、自身の欲望を満たすため、また、自分の身を守ろうとして、踏み越えてはいけない一線を軽々と越えてしまう可能性があることは容易に想像がつきます。
 

たったクリックするだけで月収XX万円

犯罪者が使う手口は実に巧妙です。足が付くのを避けるために、直接は手を下さず、第三者を矢面に立たせて、自分は利益だけを得ようと画策します。消費税も上がった今、少しでもお金が欲しいと思ってインターネットに良い儲け話がないか?とやってくる人達に対して、「たったクリックするだけで月収XX万円」などと煽り、悪意のあるソフトウェアを売りつけるだけでなく、そのソフトウェアを使って本人の知らないうちに情報を抜き取ったり、攻撃に加担させるといったことがあっても何ら不思議ではありません。

また、利用者を脅して恐怖心をあおり、偽ソフトをインストールさせようとするような、いわゆる「スケアウェア」と呼ばれる類いの物も同様です。本人は自分が犯罪に加担しているということなど全く気づかない、しかし、裏ではしっかりと攻撃に手を貸してしまっている。DNSのキャッシュポイズニング攻撃などは、知らないうちに攻撃に加担させられてしまう典型です。これと同じようなことが、いわゆる「情報弱者」を相手に行われる時代が来るかもしれない、いや、自分が知らないだけで、もう来ているのかもしれません。

自社を攻撃してくるのはプロの犯罪者だとは限らない。という認識は持っておいた方がよさそうです。

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