標的型メールは見抜くことが難しい。は誤りです

セキュリティ対策を単なる「コスト」で終わらせない、3つのアイデア

企業活動をする上で、セキュリティ対策は厄介なシロモノです。やらないで済むならそれに越したことはありませんが、世の中には沢山のリスクが待ち構えていますのでそうもいきません。自分、そして組織の身を守るにはどうしてもコストがかかってしまいますが、それを仕方のないもの、また、必要悪として捉えていないでしょうか?

セキュリティ対策を行うこと自体は「コスト」かもしれませんが、視点と考え方を変えれば、事業を後押しする「道具」ともなりえます。今回は、セキュリティ対策を単なる「コスト」で終わらせないための3つのアイデアをご紹介します。
 

業界一番の取り組みを行って注目を集める

セキュリティ対策の製品は世に多数出回っていますが、それだけに、実際にどのような製品が効果があるのか?また、どのような対策が費用対効果が高いのか?など、実際に成功している事例があれば、その話を聞いてみたいと誰しも思うものです。

アイデアのポイント実際、先端的な取り組みを行っている会社であれば、営業マンを通じて、クライアントから話を聞かせて欲しいといった要望を受けることも少なくないでしょう。良い事例はそれだけ価値がある。ということです。そこで、これを逆手に取り、価値ある事例を営業用・販促用のツールとして積極的に利用していくというアイデアが生まれます。

業界でトップクラスの取り組みを行っているとなれば、業界内での知名度も向上するでしょう。業界内での知名度が向上すれば、見込み客の目に触れる機会も自然と多くなります。この「見込み客の目に触れる機会」を単純に広告を使って増やそうとしたら、一体幾らの費用が必要になるでしょうか?

セキュリティ対策に費用を投じながらも、それを上手に活用することで、莫大な広告費相当のリターンに変える。これはまさにアイデアのなせる技です。
 

セキュリティ対策事例評価記事を書いて注目を集める

成功事例を知りたいというニーズは多いですが、それと並んで多いニーズが、「スカを掴みたくない」というニーズです。

やはり誰しも成功はしても、失敗はしたくないもの。成功はできないまでも、失敗だけはしたくないというのが、誰しも抱く心理です。インターネットのアフィリエイトサイトに比較サイトが多いのも、カカクコムが定番なのも、全てこの心理に拠るところ大です。ということは、自組織で様々なセキュリティ対策を積極的に行い、その評価記事を自社サイトにアップすることで、世間からの注目を集めるというのも、一つのアイデアです。

失敗談や、実際にやってみたからこそ得られた知識や経験、そして気づきがあれば、それらも価値ある情報です。どうしたってセキュリティ対策はやらなければならないのですから、上手に活用しましょう。
 

企業イメージ向上の材料として活用する

今や、ごく普通の高校生でも、振り込め詐欺や標的型攻撃を行うことができる時代です。それだけに、セキュリティ対策をどれだけ講じているかは、企業イメージを大きく左右するファクターになりつつあります。セキュリティ対策がしっかりしていないというだけで、企業イメージが損なわれ、様々な機会損失へと繋がっていってしまうことだって十分あり得ます。

例えばセキュリティ事故が発生し、マスコミで取り上げられれば、優秀な学生を持つ親は「あの会社には行かない方がいい」と子供に言うかもしれません。その一言で、会社は優秀な学生を獲得する機会を逃し、将来得られるかもしれなかった大きな利益を失う事になるかもしれません。

逆に、セキュリティ対策への積極的な取り組みをアピールすることで、「しっかりした会社」「信頼できる会社」といったイメージを持ってもらうことができれば、それが、優秀な人材がやってくる決め手となるかもしれません。

セキュリティ対策実施の有無が、企業イメージを大きく左右するファクターとなるのなら、逆に、企業イメージを高めてもらう「きっかけ」として利用することもできる。ということです。何も、潤沢な予算をかけてセキュリティシステムを導入する必要はありません。予算をかけていることが重要なのではなく、「取り組みの姿勢」がどうであるか?が重要なのです。

予算はかけられなくとも、知恵を絞ることで、できうる限りのセキュリティ対策に積極的に取り組んでいることを前面に打ち出している企業と、高価なセキュリティ対策システムを導入しているが、セキュリティ対策に関するアピール度はイマイチ。という企業では、どちらが第三者に対して好印象を与えることができるでしょうか?

セキュリティ対策を単なる「コスト」で終わらせてしまうのか、それとも、別の形でのリターンを生み出すのかは、全て活用次第で有り、アイデア次第です。「わらしべ長者」の童話では、ただの「草」が「御殿」に化けました。同じ事は、セキュリティ対策においても当てはめることができます。一見するとただの「コスト」も、視野を広げ、見方・考え方を変えれば、回り回って大きなリターンを生み出す源泉とすることも不可能ではないのです。
 

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