標的型メールは見抜くことが難しい。は誤りです

こんな思い込みしていませんか?思い込みは攻撃者につけ入る隙を与えます。

思い込み?先入観や思い込みは、時に間違った判断や行動に繋がります。それはセキュリティ対策についても言えること。

誰もが、自分は思い込みなんてしていないと思いがちですが、思い込みをしている例は意外と身近にあるものです。

ここでは、そんな事例を一つ、ご紹介します。

 

縁マーケティング研究所

さて、あなたは今、「縁マーケティング研究所」という名前を見て、何と読まれたでしょうか?

みどりまーけてぃんぐけんきゅうじょ」

と読んでいませんか?もし、図星なら、字をよくご覧になってみてください。「みどり」ではなくて「えん」であることがすぐにわかると思います。

ここだけの話、このような間違いをする方は実は少なくありません。初めてこの名前を目にする方の多くが、「縁」を「みどり」と読み間違えます。

「緑」と「縁」はよく似ていますが、ちゃんと見れば見分けがつく漢字です。しかし、多くの方が「みどり」と間違えてしまうのは、先入観や思い込みが、あなたの判断を間違えさせている。ということの良い事例です。

何故、「縁」を「みどり」と読んでしまうのか?

ちゃんと見れば容易に見分けがつく「縁」という漢字を、「みどり」と読んでしまう人が多いのは何故でしょうか?

それは、「縁」と「マーケティング」が頭の中で結びつかないからです。

マーケティングに関する話は、世の中にあまた溢れていますが、「縁」と結び付けて解説しているような事例はまずありません。「縁」と「マーケティング」が結びつくような話を見聞きしたことがなければ、「縁」と「マーケティング」を結びつけるなどというのは、当人にとっては想定の範囲外になります。

脳は、自分が見聞きしたことを、自分が知っている範囲で理解し、判断しようとします。しかし、「縁」と「マーケティング」が結びつくなどという記憶は自分の頭の中には存在しないので、別の記憶を頼りに理解しようとします。その時に思い浮かぶのが、「色」と結び付けて考えるということです。

の洞窟」「の他人」「のたぬき」「黄色のハンカチ」「子のバスケ」「白い巨塔」などなど、「色」と結び付けた名前の事例を私たちは普段の生活の中で山ほど目にしています。

そのような経験を積み重ねている私たちは、頭の中で「縁(えん)」と「マーケティング」が結びつくよりも、「色」を表す「緑」と「マーケティング」が結びつく方が断然早くなってしまうので、「縁マーケティング」を「みどりまーけてぃんぐ」と読んでしまう。というわけです。

このように、「縁」という漢字を目の前にしていながら、それでも「みどり」と読み間違えてしまう例は、先入観や思い込みが、間違った判断を導いてしまう好例と言っていいでしょう。

exeの添付ファイルなんて開くわけがないというのは思い込み

情報セキュリティに関する話題に普段から触れている方は、今時、exe実行形式の添付ファイルなんて開く人はいないだろうと思いがちです。

また、ウィルス付きのメールといえば、メール本文は怪しいと一目でわかるような内容になっていて、そんなメールにひっかかるはずがない。と思っている方も多いと思います。

それ故に、exeの添付ファイルは開かないようにしましょう。などということは、わざわざ教える必要などないし、実際、そんなことを教えたところで、「わかりきったことを言うな」と叱られるのがオチ。と考え、従業員に対して何もしていなかったり、また、eラーニング等で危険性を伝えておけば十分でしょ。と考えるセキュリティ担当者の方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、それは「縁」を「みどり」と読んでしまうのと同様に、自分の経験だけから、「そんなものにひっかかるなんてことはあり得ない」と思い込んでいるに過ぎません。

事実は小説より奇なりです。

あなたがそれは「常識だ」と思っていることは、意外と常識ではなかったりするもの。exe実行形式の添付ファイルなんて開くはずがない。と思うかもしれませんが、条件が揃えば、意外にも開いてしまうというケースはあるものです。

セキュリティ担当者は、まず自分の常識を疑い、その常識が本当に誤りでないかどうか?を確かめることから始める。思わぬ落とし穴があることを見過ごさないためには、あり得ないと思うようなことにも、「もしかしたら・・」と一度は目を向けてみる。これが大切ではないでしょうか。

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