標的型メールは見抜くことが難しい。は誤りです

他部署が訓練実施を嫌がる・・・そんな時の上手な対処法2つ

訓練実施を妨げる大きな理由のひとつに、「他部署から嫌がられるから」ということがあります。営業部の部長から「そんなことに時間を使ってる余裕なんか無いんだよ!」とでも言われれば、なかなか協力をお願いしづらいということはあるでしょう。

他部署が訓練実施を嫌がる理由の背景には、たいていの場合、以下のような誤解があります。営業部の社員からすれば、売り上げを上げるために頑張っているのに、自分が試されることのためにわざわざ時間を割かなければならない。なんていうのでは、屈辱的に感じられてしまったとしても仕方ないかもしれません。

1.そんなことしなくてもわかっている。(教育される謂れはない)
2.試されているようでイヤ。(信じられていないのは不愉快)

こんな時は次のような対処方法があります。ひとつは、「クレームをつけてくるであろう組織の長を味方につけること」です。組織において、トップダウンによる指示は絶対です。逆に言えば、トップダウンによる指示にはすんなり従ってもらいやすいということでもあります。ということは、その組織のトップの方をこちらサイドに引き込み、トップ自身が訓練実施に協力してくれるようにすると、何かと上手くいきます。

組織の長が嫌がることは何と言っても「不祥事」です。部下が情報漏洩など起こせば、組織の長への影響は必至なだけに、この点を上手く利用すれば、味方につけることは難しいことではありません。

そして、もう一つの方法は、訓練実施を「教育」や「試験」といったイメージで説明・実施しないことです。誰しも少なからずプライドがあるので、「教育される」とか、「試される」といったことには、頭の中ではそれが必要だとわかっていたとしても、拒否反応を示すものです。とはいえ、実際には正しい理解をしていない人も少なからずいるので、訓練実施には教育や試験の意味合いは当然あるのですが、公には、そのようなイメージはあまり滲み出ないようにするのが上手なやり方です。

訓練実施をゲーム形式にすることで、試されている感を薄めるとか、どうしたら標的型攻撃メールにひっかからないか?を尋ねるなど、訓練を受ける側が「教育をする側」に立っているかのように感じてもらうようなやり方は、この方法の具体的な例です。

何事もそうですが、受け身ではやる気も起きないですし、身にも入らないものです。自ら「やりたい」「やらなくちゃいけない」と感じてもらうよう誘導するのは大変ですが、訓練実施に興味を持ってもらうためのアイデアを考える作業は、広告を作るのと同じようにクリエイティブでエキサイティングな作業のひとつです。

「他部署が訓練実施を嫌がる」一見するとネガティブな要素も、こう考えると、取り組み甲斐のある課題だと思えてきませんか?

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