標的型メールは見抜くことが難しい。は誤りです

百聞は一見に如かず。小さくてもいいから始めてみよう

新しいことを始めようとすると、何かと周りの抵抗があるものです。標的型メール訓練となると、「そんなのやったって効果なんてない」とか、「ニセモノでやったところで意味ないだろ」とか、まあ、色々という人は出てくるものです。

否定的な意見を言う人のほとんどは思い込み

新しい事を始めようとする時、自分が自ら希望して始めることならともかく、他人からの働きかけによって始めることについては、とかく抵抗感を感じるものです。

人が未知な事柄に対して抵抗感を感じるのは、動物としての防衛本能がそうさせるので、これはもう致し方有りません。

今の現状は安全が確保されている状態にあるので、防衛本能からすれば、現状に留まっている方が安全です。ですから、自然と現状に留まろうとします。これが、否定的な意見を思いつく原動力となっているので、あれやこれやと、色々な否定的な意見が出てくるというわけです。

しかし、これらの否定的な意見のほとんどは思い込みからくるものです。もちろん、中には当を得た指摘もあるでしょうが、実際にやったことがなければ、事実を知らないわけですから、想像から意見を言うしかありません。

「そんなことやったって意味が無い」という意見も、掘り下げていくと何の根拠もなかったりする。というのはありがちなことです。

とはいえ、否定的な意見をねじ伏せてもダメ

否定的な意見に対しては反論を述べたくなるものですが、これは自己満足でしかなく、自分の意見を通すためのアプローチとしてはあまり適切な方法ではありません。

誰だって自分の考えを否定されたら、気持ちよく思うはずはありません。たとえ、相手の意見の方が正しいとしても。です。

反論によって、グウの音も出ないようにすることができたとしても、自分の意見を否定された相手は面白くありません。このような状況では、十分な協力が得られるはずもなく、場合によっては、何かあれば揚げ足を足られる。といったことにもなりかねない危険性があります。

新しいことを始めるのなら、相手をねじ伏せてでもやらせようとするより、相手も自ら希望してそれをやってみたいと思うように誘導するのが、ベストなアプローチ方法です。

事実を知らないのだから、事実を知ってもらおう

新しいことを始めるときは、いきなり、周囲を巻き込もうとするよりも、まずは自分から始めてみて、周りに興味を抱かせるよう仕向けることから始めるのがお薦めです。

興味の無い相手に、新しいことを始めようと持ちかけるより、興味を持った相手に話を持ちかける方が、断然、受け入れてもらいやすいものです。

「標的型メール訓練」なら、いきなり「訓練をしましょう」と周りに持ちかけても、訓練自体よくわかっていない人にはなかなか理解してもらえず、訓練実施には至らないものですが、実際に模擬の標的型メールを見せたり、何人かに模擬の標的型メールを送って、一目見てそれと見分けるのはなかなか難しいね。という事実を知ってもらうと、実感が湧き、訓練の必要性について納得してもらいやすくなるという事実があります。

やったことがないものを一生懸命に言葉で説明して説得しようとするより、実際にやって見せて、それを実行することによる結果を、事実として実感してもらった上で説得するほうが、断然話が早いのです。まさに、百聞は一見に如かずです。

あなたがもし、会社内で新しいことを始めてみたいとお考えなら、まずは、あなた自身がそれをやってみて、周りに「面白そうだね」と思わせることから始めてみると良いと思います。

興味を持ってもらうまでには時間はかかるかもしれませんが、興味を持ってもらえさえすれば、話が進むのは早かったりするものです。

小さくてもいいから始めてみよう!急がば回れです。

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